言葉は不思議なもので、人を生かすこともできるし、殺すこともできます。
幼い頃に褒められた言葉がいつも心に残り、その言葉が人生の困難な局面でよみがえり、再び前進する力となることもあります。反対に、人を傷つける言葉がその人の夢を打ち砕き、絶望に追いやることもあります。特に、ネット時代には匿名で簡単に人を傷つける言葉を書き込むことができるために、数多くの悲しい事件が起こっています。
新約聖書ヤコブの手紙には、「もし、ことばで過ちを犯さない人がいたら、その人はからだ全体も制御できる完全な人です」と書かれていますが、何気なく語った言葉が思わぬ波紋を起こすのは、日常生活の中でよくあることです。
言葉で傷つくことが多い日常で、レテー・B・カウマンの「中傷を忘れなさい」という詩は、なぜか心に迫ってきます。この詩の中には、「忘れなさい」「笑ってすませなさい」という言葉が繰り返されます。このように語る背景に、決して人間を見捨てることのない神の存在を覚えているからでしょう。
彼女は宣教師として日本に大きな足跡を残した方です。著書「荒野の泉」は、一九二五年に世界十二カ国語に翻訳され出版されました。今でも聖書と共に彼女のメッセージに接している人々が大勢おられます。その理由は次のメッセージをお読みになればお分かりになると思います。彼女のように人を生かす言葉を語りたいものです。
「中傷を忘れなさい」
試みられた時耳に残る中傷を忘れなさい。
荒々しい、思いやりのない言葉を忘れなさい。
口論やその原因を忘れなさい。
忘れるのが何よりです。
昨日の嵐を忘れなさい。
白髪がまじってきたのを忘れなさい。
しかし、一日の終わりに神を忘れてはいけません。
争いにまけても、
あなたの権利をごまかされても、
笑ってすませなさい。
ささいなことで悲しまず、
小さなことで大騒ぎをせず、
笑ってすませなさい。
仕事をこじらせ、
追いつめられてはいませんか。
笑ってすませなさい。
気を確かにもちたいなら、
笑いにまさるものはありません。
笑ってすませなさい。
神はあなたがたをかえりみてくださるのですから、
自分の思い煩いを、一切神にゆだねなさい。
今日の聖書 ピリピ4章6~7節
何も思い煩わないで、あらゆる場合に、感謝をもってささげる祈りと願いによって、
あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。
そうすれば、人のすべての考えにまさる神の平安が、
あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます。
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