「青森ねぶた祭2023」開催ニュースで思うこと
コロナ禍で中止や制約のあった「青森ねぶた祭」が四年ぶりに以前のねぶた祭に戻り、大きなニュースになりましたが、その青森ねぶた祭で運行関係者がねぶたの台車の曳手に暴力をふるったという動画が拡散され、さらに大きなニュースとなりました。
ニュースでは、「うちわを持つ手を振り回し、ねぷたを引く曳く人たちを次々に殴り始めたのです」とあり、実際に殴ったかどうかは遠目なの不明なのですが、うちわではなく素手で殴った手がまともに当たっていればノックアウトパンチのような勢いで腕を振り回していたので、この動画を見た青森ねぶた祭を愛する人々に大きなショックを与えています。私自身も青森ねぶた祭観覧で見るはじめての光景で大変驚きました。
私は別の目的もあって弘前に出かけたのですが、翌日の8月2日が「青森ねぶた祭」初日であるということで最新カメラを持参し、四年ぶりにねぶた祭を撮影することができました。問題になった青森青年会議所のねぶたも撮影いたしましたが、迫力のあるすばらしいものでした。制作したねぶた師の方もこの出来事に大きなショックを受けたことでしょう。
当初のニュースではねぶたが特定されないようにぼかしが入れられて報道されていたのでとてもお気の毒でした。暴力をふるった運行スタッフのおかげで、ねぶたグループ全体が全否定されるだけではなく、青森ねぶた祭そのものが問題あるかのような印象が広がることが懸念しておられる方が大勢おられます。青年会議所のねぶたはお囃子を含め、全体としてはまとめまりのある魅力的なグループだったので、かなりの枚数を撮影したのでとても残念に思っています。
ねぶたは、ねぶた師の描いた下絵に基づいて、ねぶた小屋で数ヶ月かけて制作されます。製作中は非公開で関係者以外は見ることができません。出来上がったねぶたを台車に載せ、完成したねぶたを台車のまわりで押したり引いたりするのが「曳手」の役割です。ただ台車を押したり引いたりするのではなく、上下に動かしたり回ったりして生き物のように動かすのも「曳手」の役割です。そして「曳手」をオーケストラの指揮者のように指揮するのが「扇子持ち」の役割です。扇子持ちと曳手の息が合ったときに、ねぶたは生き物のように町を練り歩くのです。「曳手」が扇子ではなく実際の手で暴力を振るうのは昔はあったのかも知れませんが、今では完全にアウトで、多くの観覧者に感動ではなく恐怖と不快感を与えてしまいます。
8月2日のねぷた祭りでも、ねぷたの大小に関係はなく、目の前で一生懸命動かしてくれたねぷたには観客から拍手が沸き起こるのです。最初の写真にあるように、観客の多くの視線はねぶたそのものに向いていますので、「曳手」はあまり見えないのです。しかし、見えない陰の部分での真剣な働きがあってこそねぶたそのものが生き物のように動くのですから、これからも「扇子持ち」と「曳手」」が良いコンビネーションですばらし青森ねぶた祭を見せてくれるよう心から願っています。
ねぶたの太鼓の音は心地のよいものです
今日の聖書 コロサイ人への手紙3章12~14節
ですから、あなたがたは神に選ばれた者、聖なる者、愛されている者として、深い慈愛の心、親切、謙遜、柔和、寛容を着なさい。互いに忍耐し合い、だれかがほかの人に不満を抱いたとしても、互いに赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたもそうしなさい。そして、これらすべての上に、愛を着けなさい。愛は結びの帯として完全です。