弘前大学名誉教授 河西達夫先生
人間のいのちの尊厳を知らなくては
良い医者になれない
良い医者になれない
弘前大学名誉教授の河西達夫先生は、弘前大学医学部の教授として千体以上の解剖に立ち会い、学生に解剖学を教えてこられた方です。数年前に出版された「解剖学実習アトラス」は全国の医学部の解剖学教科書として用いられています。人体の臓器の精密なイラストは、まるで本職のイラストレーターが描いたかのような仕上がりになっていますが、お聞きすると河西先生ご自身が描かれたものとのことです。
以前、弘前福音キリスト教会で、「献体について考える」というテーマでお話していただきました。解剖を行うとき学生たちに特に指導したことは、「人間のいのちの尊厳を知らなくては 良い医者になれない」ということです。「動物ではなく人体を解剖することで、生命の尊厳を知り、医師としての責任感が身につく」というのです。そのために、人体の取り扱いには非常に厳しかったといいます。
河西達夫先生と恵子夫人は熱心なクリスチャンですが、新婚の頃、解剖の実習を終えて戻ってこられた夫の解剖着を洗濯するのが喜びだったと話されていました。普通の女性であったならば、あまり喜びとは感じないはずの解剖着の洗濯を、大きな喜びと感じているところに、献体をされた方々への感謝と夫の仕事への深い理解があったことを覚え大変感動しました。
イラストも河西先生によるもの
河西達夫先生と恵子夫人 (青森県「鶴の舞橋」)
「今日の聖書」 詩篇139篇13~16節
それはあなたが私の内臓を造り、
母の胎のうちで私を組み立てられたからです。
私は感謝します。
あなたは私に、奇しいことをなさって恐ろしいほどです。
私のたましいは、それをよく知っています。
私がひそかに造られ、地の深い所で仕組まれたとき、
私の骨組みはあなたに隠れていませんでした。
あなたの目は胎児の私を見られ、
あなたの書物にすべてが書き記されました。
わたしのために 作られた日々が、しかも、その一日もないうちに。