百歳の高校教師「うめ子先生」は日本テレビ系列でで1984年から10年にわたって放送された人気ドキュメンタリーです。山形県小国町にある基督教独立学園高校で59才から100才まで書道教師をされていた桝本楳子(ますもと・うめこ)さんの生き方を追ったこの放送は大きな反響を呼び、多くの人に感動をもたらしました。
「うめ子先生」の担当ディレクターとして10年以上も追い続けた佐々木征夫氏はその取材記録を「うめ子先生 100歳の高校教師」(日本テレビ放送網株式会社刊)という本にまとめ出版しました。映画監督の山田洋次氏は「こんな美しい日本人がいる、ということを、ぼくたちは誇りに思う」という推薦文をこの本に寄せています。
佐々木征夫氏のドキュメンタリー 「うめ子先生 100歳の高校教師」は、うめ子先生のそれほど大きな変化のない日常生活を淡々と追っているように見えますが、氏の手がけたこの作品は、文化庁芸術祭賞、ドキュメンタリーの国際的な賞であるサンフランシスコ・ゴールデンゲート賞、民放祭賞、ギャラクシー賞等を受賞しています。ちなみに、NHK紅白歌合戦にも出演し話題を呼んだ沖縄県出身のテノール歌手・新垣勉さんが世に知られるきっかけとなったのも佐々木征夫氏の制作したドキュメンタリー番組です。
「うめ子先生 100歳の高校教師」のドキュメンタリーから伝わって来るものは、「何をするか(What I do)ということ以上に、何であるか(What I am)」ということのほうが、いかに生徒の心に深く刻まれていくかということです。私たちはその人の人生をはかるときに、つい「何をしたか」ということに関心が行きがちですが、実は「何であるか」ということのほうがもっと重要だといことを教えらてくれたドキュメンタリーでした。
また、ほめられたりそしられたり、悪評を受けたり好評を博したりすることによって、自分を神のしもべとして推薦しているのです。私たちは人をだます者のように見えても、真実であり、人に知られていないようでも、よく知られており、死にかけているようでも、見よ、生きており、懲らしめられているようでも、殺されておらず、 悲しんでいるようでも、いつも喜んでおり、貧しいようでも、多くの人を富ませ、何も持っていないようでも、すべてのものを持っています。
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